2012年6月26日火曜日

Making Sevai

南インドには、米麺のIdiyaappamがありますが、それと似ているSevaiというのもあります。Rice Noodleという点では両者は同じですが、その製法が異なります。
材料はどちらも同じで、米粉をつかいます。Idiyaappamは、米粉を水と塩を加えて捏ねて、もしくはお湯を沸かしてその中に米粉と塩を入れて捏ねます。後者のほうが、粉と水の馴染みがとてもよいです。
そうやって生地を作ります。Sevaiについてもここまでは同じです。Idiyaappamは、ここで生地をSev Makerに入れて、イドゥリの蒸し皿もしくはIdiyaappam用のネットに麺を押し出してから、蒸し上げて出来上がりです。
Sevaiの場合は、生地をちぎって丸めてイドゥリの蒸し皿にセットして、8〜10分蒸します。そして蒸しあがったものを、Sev Makerに入れて麺を押し出して出来上がりです。
はい、こんな感じになります。見ただけではIdiyaappamと見分けがつきません。要約すれば、麺を最後に蒸すのか、生地を蒸してから麺にするかという違いになります。
やってみてわかりましたが、Sevaiの場合は時間が経って冷めても、麺の柔らかさをずっと保ち続けています。素麺まで腰は強くはないですが、ソフトながらもわりかししっかりしています。
生地を蒸してから最後に麺として押し出すので、結構力が入ります。今まで手押しのSev Machineでやっていたのですが、かなり手が痛くなりました。Sev Machineにも負荷がかかりすぎて壊す危険があるので、Sevai作りは躊躇していましたが、手押しではなくてネジ巻き式を使えばいけるのではと思い、シンガポールに行った時にネジ巻き式のやつを買って来ました(日本でも売ってるところがあります)。
これです。やってみると、かなり楽にできました。生地がなるべく暖かいうちにやるのがコツです。
こうやって出来たSevaiですが、まぁこのままクルマとかかけて食べても美味いですが、このSevaiを使ってレモンライスのようにしたり出来ます。今回は、タマリンドライスもとい、Puzhi Sevaiにしてみました。
調理の方法は、米がSevaiになっただけですので、手順はいっしょです。出来が物がこれです。
南インドのミックスライスは、Sevaiで作ることができますので、たまには趣向を変えてこういうのも楽しいですね。

2012年6月24日日曜日

第二回タミル料理食事会

前回からおよそ3週間後、6/24(日)の夜、再びケララの風Ⅱさんに場所をお借りして、タミル料理食事会を行いました。
今回もインターネット上での募集は一切しないで、店内にイベント案内を貼って、募集をかけました。定員の12名来ていただけて、まことにありがとうございました。
手前、タミルの薄いクラッカー(Appalam)
奥の揚げ麺は、Omappodi
その奥にマンゴーラッサム(わかるかな...)

まずはスナック類からです。アッパラムから。パパドとかパパダムとか呼び方はいろいろありますが、これはタミルで食べられている薄くてサックリした食感で軽やかです。さっそく酒が欲しくなります。それから揚げ麺のOmappodiは、ひよこ豆の粉、米粉、アジョワンと塩を加えて水で練ってから、高温の油の中にところてんみたいな器具をつかって、押し出して揚げたものです。カリカリの食感と麺の形をしているのが特徴です。唐辛子粉を少し入れてありますので、辛さがあります。
それから写真を撮り忘れてしまって...かろうじて写ってるかな...最初にウェルカムドリンクとして、マンゴーを使ったラッサムをお出ししました。本来は青マンゴーを使うのですが、日本だと簡単に入手できなくて...あっても高いので、フィリピンマンゴーで代用して作りました。辛さはなく、甘口でうまみがあります。結構好評のようでした。
ココナッツチャトニ

グリーンチャトニ


アッパラムと揚げ麺は、ココナッツとグリーンのチャトニをつけて食べるとさらに美味しいです。




青バナナのコロッケ(Vazhaikai Cutlet)

ジャガイモをつかってしまうと日本のコロッケになってしまいますので、青バナナをボイルしてから、タマネギや香菜、グリーンチリ等をいっしょにマッシュして整形してフライパンでローストしました。
盛り付けるとこんな感じ

中央にトマトのチャトニ、コロッケの間の仕切りには人参のピクルス。コロッケの下には香菜をしいてみました。コロッケ自体は柔らかく、ハーブ類の香りがあります。青バナナはちょっとイモに似ていますね。
強火であおっていますが、これは...


さていよいよスナック類の最後になりました。大きめのフライパンで、ジャガイモの角切りを強火であおっていますが、はたしてこれは...
普通にポテトロースト(Urulai Kizhangu Podimas)


ポテトローストです。角切りしたポテトに唐辛子粉、ターメリック、レモン、塩を揉み込んでから、油多めの中でマスタードが弾けたら一気に炒めます。フチがちょっとカリカリになってくると香ばしさがアップして旨いのですね。結構人気がありました。
ミックス野菜のヨーグルトココナッツ煮(Avial)


人参、ジャガイモ、インゲンの三種類の野菜をボイルして、ヨーグルト、ココナッツベーストのグレーヴィーに軽く煮ました。煮るというより和えるに近いです。ケララ地方だと、グレーヴィは野菜に軽くまとわりついている程度ですが、タミルですと、汁気の多いものがあったりと、地域差があります。
何やら焼いておりますが


こんな風に裏も焼いたり


南インドのお好み焼き(Adai)

Adaiというお好み焼きみたいなティファンです。4種類の豆と、米、カレーリーフや香菜、グリーンチリ、タマネギ等いろいろはいっております。サーブしに持って行ったら、とてもよい香りがしますねと、嬉しいお言葉をいただきました。ありがとうございます。
カトゥリにAvialを盛りつけ

先のミックス野菜のヨーグルト、ココナッツ煮とセットで食べます。この組み合わせは、南インドのチェンナイに行くとよく見かけます。

さてこの後はいよいよメインです。
この黄色のライスは...

ターメリックライス...ではなくて、レモン・ライスといいます。黄色はターメリックですが、レモンの風味がプラスされております。ターメリック・ライスですと炊き込むときにターメリックを入れればよいのですが、いつもお米は湯取で炊くので、その方法は使えません。それにレモン・ライスは、炊き上がったお米にたいしてミックスするので、いずれにせよ炊飯器で米を炊くやり方では出来ません。
難しいものではないのですが、なんせお米の量が16人分ぐらいあるのを一気に作りましたので、ターメリックの量をどれぐらいにするか、調理剃る前にちょっと緊張しました。多すぎると色が汚くなるので、失敗はゆるされません。おかげさまでバッチリできました。
マスタード、カシューナッツ、豆類、ハーブル、ショウガ、塩等が入っております。それらの香ばしさとレモンの風味がなんともたまりません。このままでも美味しくいただけます。
レモン風味のミックスライス(Elumichai Saadam)

盛り付けるときに、上から香菜をちらします。この鮮やかな黄色が見た目にもいいですね。
エビのココナッツ炒め(Eral Puttu)

サイドディッシュとして、バナメイエビをたっぷり使った炒め物です。マスタードやカレーリーフ、ココナッツの風味がエビにマッチしていて、優しい味わいです。
絶品魚カレー!(Chettinad Meen Kuzhambu)

絶品なんて言ってしまってますが...魚のカレーって美味しいんですよ。ブリをたっぷり使いました。かなりの分量入れてあります。グレーヴィはシャバシャバですが、魚のダシとかたっぷり出ていますので旨味が凄いですね。ライスにはもうバッチリです。

以上がお出しした料理全てです。今回は魚のカレーをメインに、スナック類とティファンを中心に構成してみました。ミールスのような、野菜料理等ももちろん魅力ありますが、このようにスナック、ティファンもまた南インドを代表とする魅力あふれる料理です。これからもこういった料理をもっと紹介できたらと思います。

というわけで、皆様には美味しそうに召し上がっていただきまして、感謝感激でございます。次回開催するときは、またおもしろそうな変わった料理をやってみたいと思います。興味のある方は、ケララの風に足を運んで頂き、イベント情報をチェックしてみてください。
それではどうもありがとうございました。










2012年6月18日月曜日

Adai Avial

Avialを久々に作った。トロトロのグレーヴィ多めバージョン。ケララだとグレーヴィは皆無で、野菜に絡めたって感じのものだが、タミルだとどちらでもあって、まぁどちらが良いかというのは好みでしょうな。本来ココナッツオイルを最後に風味づけするんだけど、切らせていたので省略しました。
ティファンだとAdaiとの組み合わせが、現地に行くとよくありますので、こちらも久々のAdai。ミニサイズで作りました。まぁ確かに相性はいいかもしれません。ココナッツとヨーグルトのグレーヴィがしっくりきてます。

Kozhi Uppu Kari

塩漬けしたチキンを、ホールスパイスで炒める手軽な調理ながらも、唐辛子の風味がバッチリのUppu Kari。
チキンは皮をとってから、塩とターメリックを揉み込んでおいて15分ぐらい置いときます。みじん切りしたタマネギを用意しておいて、フライパンに油を入れて、マスタード、ウラッドダル、フェンネル、ホールチリをスターターとして、タマネギを炒めます。
それからチキンを加えて、チキンに火が通るまで炒めます。だいたい15分ぐらいでしょうかね。
ホールスパイスの香りが前面に出てきます。特に唐辛子の風味がいいのですね。お酒が欲しくなってきます。

2012年6月10日日曜日

東と南の饗宴 ベンガル×タミル

町屋にある純ベンガル料理のお店、Puja(プージャー)でベンガル料理とタミル料理とのコラボレーションイベントを行いました。会費は一人4000円で、参加者19名の方々に楽しんでいただきました。
イベントの内容の前に、お店の紹介をしたいと思います。お店は、5年ぐらい営業しておりまして、1年程前までは、ナンとタンドール料理、バターチキンといったオーソドックスな料理を主としてベンガル料理はその中で少しだけだしているというお店でした。
夫婦でやられているお店で、日本人の旦那さんがベンガル料理を作り、ベンガル人の奥様がホールを担当という、二人三脚できりもりしておりましたが、1年程前に奥様が妊娠したのを機に、旦那さんが一人でお店をやることになりました。そこで大幅にメニューを変更して、ナンやタンドール料理を一切ださないだけでなく、本来自分がやりたかったベンガル料理だけしか出さないお店になりました。
インド料理店としては、ベンガル地方の料理だけという、かなり特色のあるお店に変貌しました。
一人でやられているということもあって、サイドメニューをかなり削ることとなりましたが、基本的には複数の料理で構成されたベンガル料理のターラをランチに、ディナーはポージという昼のランチをもう少し豪華にした内容を週替わりぐらいで提供しております。
特に魚を使った料理が絶品で、数多くのインド料理店でも、これだけ魚の料理を出しているお店はないのではないかというぐらい、様々なものが出ています。

私も家がお店に近いということもあって、結構良く通っていたりします。絶品の魚料理も毎回楽しみですが、その他の料理も素晴らしい出来で、ダル一つとっても魅力にあふれております。また料理だけではなく、店内には座敷もあることから結構和めるのですね。我が家の子供も楽しそうに動きまわっております。そういう落ち着いた空間と、奥様が子育てをしながら、お客の相手をして会話を楽しんだりと、雰囲気はとてもよいです。料理のほうも辛さは控えめで、いくぶん甘めの味付けとスパイスの香りが十二分に楽しめるので、多くの人に受け入れられるのではないかと思います。店の入口に張り紙で書かれているように、ナンはありませんが、お米をさらに美味しくいただける料理が目白おしです。是非とも皆さんには足を運んでみて実際に食べていただきたいと思います。

我が家とPujaの方とは、お互いに子供が同じぐらいの時期に生まれたということもあって、子育ての意見交換等しながら、行くと何らかの話をしたりして、結構親しい付き合いをさせていただいております。
お店も広々として開放感があるし、お店でイベントが出来たらいいねみたいな話が以前から出ていたんですが、それが今回具体的にいつやろうみたいな話になって、ベンガル料理と南インド料理とのコラボレーションとなったわけです。
南インドでも、私はタミル地方の料理が好きなので、そこで出している料理を出すことにして、Pujaさんには普段お店で出しているものとは違い、むしろパーティなんかで出す特別な料理を用意していだきました。

この日のメニューは以下のとおりです。

前菜の部

 タミル料理

カルバンゾーのスパイシーサラダ
Konda Kadalai Sundal

ドライ玉子キーマのパロタ包み焼き
Madras Parotta

豆のカリカリ揚げココナッツソース添え
Masala vadai with Chutney

ベンガル料理

エビのバナナの葉包み蒸しマスタード風味
Bhapa Chingri


主菜の部

タミル料理

サンバル
Sambar

インゲンと豆のソボロ蒸し
Beans Paruppu Usilli

乾燥野菜のコロンブ
Kaara Vatral Kuzhambu

ベンガル料理

ズッキーニとジャガイモの蒸し煮辛の実風味
Zucchini Alu Posto

キャベツと魚の頭の炒め煮
Bandha Kopi Murighonto

魚のヨーグルト煮
Doi Maach

スズキのマスタードカレー
Macher Sharshe bata Jhal

ベンガル流ほうれん草とマトンのマサラ
Palong Mangsher Milmish


ティータイム

ベンガル料理

ベンガルの甘いヨーグルト
Mishti Doi

ベンガルのミルク菓子
Sandesh

インド式ミルクティ
Chai


以上になります。
料理の種類と、量がかなりありましたので、皆さんかなり満腹...いや、食べきれないといったほうがよいのでしょうか、やりすぎたかなという点もありましたが、概ね満足していただけたみたいで、作りがいがありました。
いくつか課題点もありましたので、今後このようなイベントをやる際には改善して、よりよいサービスができるよう努力いたします。ありがとうございました。

イベントで出しました個々の料理について、参加者の方にブログで詳細なレポートを書き上げていただきました。感謝感激でございます。是非ともごらんになってくださいませ。

世田谷を中心に、いろいろなお店に行かれている、しまじろさんのブログ
カレー401 Puja編

ときどき一緒にインド料理イベントをやらしていただいている、とらさんのブログ
とら屋食堂  Puja前後編

ナイスな二人組のユニット、マサラワーラー!
マサラワーラーのブログ ベンガル湾沿い南北料理食べさせられ放題!!

全身カレーの塊、spicecherryさんのブログ
全身カレーな人々  町屋「Puja」でベンガル×タミル夢の饗宴

食事会のイベントは、南インド料理というくくりで以前からいろいろとやっていますが、今回のように、東インドと南インド、ベンガル料理とタミル料理という、大きく文化が異なる地方のコラボレーションは初でした。
当初、ベンガルとタミルで料理が噛みあうのだろうかということが頭をよぎりましたが、いくつか食文化に関して共通する事項が多く見られたので、結果としてはうまくいったのではないかと。
共通していることとは以下のことでした。


  • 主食がお米
  • マスタードを使用する
  • タマリンドを使用する
  • ヨーグルトを使用する
  • ココナッツを使用する


まだ細かいところではあるかと思いますが、特にこの中でもお米が主食であるのと、タマリンドの積極的な使用は、かなり重要な点でもありました。イベント終了後にスタッフ同士が、今回の料理を食べてみて、味付け等はことなるものの共通性が見いだせたので、新たな発見でもありました。

地方によって、調理方法、味、食べ方等、異なる食文化を持っている広大なインド。魅力でもありますが、逆にまだまだ一般的には知られていない世界ではあります。これから、徐々にでも広がりがでてきたら、よりいっそう楽しめるのではないかと期待しております。





2012年6月3日日曜日

タミル料理食事会

6/3(日)の夜に、ケララの風Ⅱさんに場所をお借りして、タミル料理食事会を行いました。ケララの風ではケララ料理を出しているわけですが、そのお隣の州であります、タミル・ナードゥ州の料理との違いみたいなものが感じられたらいいなと思い、企画しました。
また、こういったイベントは時々行なっていますが、今回はケララの風Ⅱによく来ていただいているお客さんに来て頂けるよう、インターネット上での募集は一切しないで、店内にイベント案内を貼って、募集をかけました。
人数が集まるかどうか不安はありましたが、定員の12名来ていただけて、まことにありまがとうございました。
それではさっそく料理のほうを見ていきたいと思います。料理は前菜のスナック3品を、まず用意しました。
パンダ豆のスパイシーサラダ
Karamani Sundal

ホワイトロビア豆という豆を使ったサラダですが、ちょうど豆の真ん中に黒いフチどりの目があるような感じになっておりまして、パンダの目に似ているため、パンダ豆と呼んでおります。豆を使ったサラダをSundalといいますが、タミルではポピュラーな料理です。マスタードと削ったココナッツの風味が豆にとてもマッチしております。結構お腹にたまるので、食べ過ぎ注意ですね。
豆のカリカリ揚げ
Masala Vadai

お次はマサラ・ワダと言われているものです。これは、挽き割りのひよこ豆を,
水につけおきしてから荒く挽いて、それを円形にまとめて油で揚げたものです。
外側はカリカリ、中はホクホクした感じになっておりまして、タマネギ、カレーリーフ等が入っております。そのまま食べても美味しいですが、付け合せとしてココナッツ・チャトニと、グリーンチリや香菜をたっぷり使ったグリーン・チャトニの2種類のチャトニを用意しました(写真を撮り忘れました)。それらをつけて食べますとさらに美味です。
豆のフワフワ揚げ団子
Bonda

マサラ・ワダの右隣にあります、ちょっといびつな形をしたものが、Bondaという豆の団子です。本来はもっと球形に近く作るのですが、ちょっといびつな形になってしまいました。ですが、フワフワの食感はバッチリ再現しております。
これに使っている豆は、ウラッド・ダル(和名がケツルアズキ)という豆で、これもしばらく水につけおきしたあと、こちらのほうはペースト状に挽いて、団子状にまとめて油で揚げます。油に生地が浸かると、膨張してプクッと膨れます。なので、中はフワフワ状態です。シンプルに塩と少しだけブラックペッパーを入れてあります。素朴な味わいです。これもチャトニをつけて食べますととても美味です。
以上3品が前菜です。いずれも豆を使ったスナックで、それぞれ食感や使い方が異なっており、タミル料理の豆のバラエティさが伺えるかなと...
さて、それでは主菜のほうを見て行きましょう。
Meals

全部で5品用意しました。一つ一つ解説いたします。
豆のフリカケにギーを上から
Paruppu Podi and Nei

ライスの上にかかっているものは、豆をパウダーに挽いたもので、少しの塩と黒胡椒が混じっております。さらにその上からギーをかけてあります。ミールスでは最初に、この豆のフリカケとギーをかけて最初の一口というのがよくあります。ギーの香りと豆の旨味で、結構イケちゃうんですね。
オクラのサンバル
Araichu Vitta Vendaikkai Sambar

まずは定番のサンバル。具はオクラです。サンバルはタミル・ナードゥ州が発祥と言われております。ケララ州でも、他の州でもサンバルはありますが、タミルのサンバルの特徴として、豆の濃度が濃いことが挙げられます。実にしっかりした味わいです。今回はケララ州との対比ですが、やはり豆の濃度はタミルのほうが濃いと思います。また、一番大きく違う点としては、ケララのサンバルは、ココナッツオイルの香りがすることです。ケララの風では、サンバルにココナッツオイルは使用しておりませんが、実際現地ではココナッツオイルの効いたサンバルは、普通といってもいいぐらい当たり前に使っております。
ラッサム
Rasam

タミルの食堂でもよくみかけるタイプの、トマトと煮豆エキスのラッサムです。煮豆といっても、上澄み液に近くして使っておりますので、ドロドロとした感じはなくサラッとしています。それにフレッシュトマトの風味と、タマリンドの酸味がマッチして、ブラックペッパーとクミンが効いた、すっきりキリッとした味わいに仕上げております。
豆とキャベツのココナッツ煮込み
Muttai Kose Kootu

これまたタミルではよく食べられている、豆と野菜、ココナッツを煮たクートゥという料理です。豆と野菜というのはとても相性がよいのですね、豆が煮崩れて野菜がトロトロになるまで煮込みます。まろやかで優しい味わいですが、ココナッツとグリーンチリ、クミンをペーストにしたものを加えておりますので、ただ優しい味わいだけでなく、グリーンチリやクミンの香りもあり、とてもさわやかな感じがあります。
ナスのスパイシー炒め
Kathirikkai Podi Kari

汁物が続きましたので、今度はドライなものを。ナスをマスタード、ターメリックと一緒に炒めてから、仕上げに豆の粉にスパイスを足したものを振りかけてサッと混ぜてあります。やはりここでも豆がうまく利用されております。最後の最後に加えるので豆の風味が最高によく出ております。
ヨーグルトのコロンブ
Mor Kuzhambu

コロンブというのは汁物の総称みたいなものですが、これはヨーグルトのカレー...ですね。何々コロンブというのは、タミルではよく出てきます。ヨーグルトにスパイスを加えて、軽く煮込んであります。ライスにもバッチリ合いますが、それだけでなく他の料理と混ぜてもまったく違和感無いようになっております。特にサンバルに混ぜると、モール・サンバルというものに変化します。

以上がお出しした料理全てです。料理は、全体的に豆をとても多く使用している他、玉ねぎ、ニンニクをほとんど使用しておりません。使っている料理としては、マサラ・ワダにタマネギ少々、ラッサムにニンニクを使用しているだけなのです。インド料理というと、タマネギとニンニクは必須みたいな認識をしている方がいらっしゃるかと思いますが、けっしてそうではありません。なくても美味しい料理は作れるのです。この点は、食事会で話忘れたことなのでレポートに載せておきます。

というわけで、皆様には美味しそうに召し上がっていただきまして、感謝感激でございます。次回もまた美味しい料理を用意してお待ちしております。今回はベジでしたが、次回はノンベジでやりたいと思います。興味のある方は、ケララの風に足を運んで頂き、イベント情報をチェックしてみてください。
それではどうもありがとうございました。